はじめに
エリオット波動論と陰陽五行波動論は、それぞれ異なる視点から市場の波動を解釈しているが、本質的な構造には大きな共通点が見られる。今回、エリオット波動論における**「延長波」「波の階層」**を陰陽五行波動論の視点で再解釈し、新東境界線を考慮した波動展開のモデルを整理した。
1. エリオット波動論の波動階層
エリオットは、相場の波をフラクタル構造として捉え、**「グランドスーパーサイクル → スーパーサイクル → サイクル → プライマリー → インターミーディエット → マイナー → ミニュット」**のように、階層的な波動構造を定義している。
特に、
- **推進波（衝撃波）**は5波動で構成され、1・3・5波がアクション波となる。
- **修正波（ジグザグ波）**は3波動で構成され、A・B・C波がそれを形成する。
- 延長波は、主に1・3・5波のいずれかに発生し、その波動内部にさらに5波のカウントが加わる。
2. 陰陽五行波動論における波動展開モデルとの照合
陰陽五行波動論では、波動は次のような階層で展開される：
- 主波（長期の波）
- 副次波（中期の波）
- 零細波（短期の波）
このフレームワークは、エリオット波動論における「プライマリー → インターミーディエット → マイナー」の構造と一致しており、
- 主波 ＝ プライマリー波
- 副次波 ＝ インターミーディエット波
- 零細波 ＝ マイナー波 として捉えることができる。
さらに、新東境界線の概念を加えることで、「延長波」の発生をより精密に説明できる。
3. 新東境界線と延長波の関係
エリオット波動論では「延長波」は1・3・5波のいずれかに現れるとされるが、陰陽五行波動論の視点では、「新東境界線」を基準に波動が展開される結果として延長波が生じると考えられる。
- 1波、3波、5波のいずれかで、新東境界線を軸にした波動が展開されると延長波が発生する。
- 観察する時間軸が短期である場合、短期の主波・副次波・零細波の中で、長期の零細波が1波、3波、5波のいずれかで機能する。
- その結果、相対的に見て「延長波」と解釈されるものが発生する。
この視点は、エリオットが「延長波」を単なる長い波動としてではなく、異なる波動階層との関係性から発生するものとして捉える新たな視点を提供する。
4. トレードへの応用
この統合によって、以下のようなトレードの戦略が強化される。
- 波動階層の理解によるエントリーポイントの精度向上
- 延長波の発生条件をより正確に把握することで、トレンドの継続性を判断
- 新東境界線の活用により、相場の転換点をより明確にする
まとめ
エリオット波動論と陰陽五行波動論の波動展開モデルは、異なるアプローチを取りながらも共通の原理に基づいていることが明らかになった。特に「延長波」と「新東境界線」の関係性を整理することで、エリオット波動論の概念をより精密に読み解くことが可能になった。
この視点を活かすことで、より高精度な波動分析とトレード戦略の構築が可能になると考えられる。