市場の波動分析において、出来高(Volume)はどのように機能しているのか?
これまで、エリオット波動論やダウ理論、グランビルの法則を用いて市場の動きを解析してきましたが、価格だけでは捉えきれない要素があると感じていました。そこで注目したのが、出来高のエネルギー転換の役割 です。
1. 波動の推進と出来高の関係
波動の推進には、副次波 → 主波 → 零細波 の順に役割があり、出来高の推移もこれに対応して変化します。
✅ 1波(副次波の初動)
- 出来高は小さい
- エネルギーが蓄積され、価格の初動が始まる
✅ 3波(主波の本体)
- 出来高が最大になる
- 市場が本格的に推進し、トレンドのピークエネルギーが解放される
✅ 5波(零細波による仕上げ)
- 出来高が再び小さくなる
- エネルギー消費の最終局面に入り、価格は推進の終点へ向かう
→ 出来高の比率は、副次波:主波:零細波=1/3:1:1/9 の関係にある可能性
2. 修正波における出来高の役割
推進波で使われたエネルギーは、修正波で蓄積し直すプロセスを経ます。その際、出来高は「C波における出来高水準」として推定可能になります。
✅ A波
- 出来高が減少
- エネルギーのリセットが開始
✅ B波(停滞波)
- 出来高が適正水準まで増加 → その後、一度消失(リセット)
- 修正波の核心部分であり、次のC波の出来高水準を決めるポイント
✅ C波
- 出来高が推進波3波の水準に到達
- これは、エネルギーが転換した結果(推進に必要なエネルギーが満たされた)ことを意味する
→ 推進波で使われた出来高水準を、修正波のC波で再現することで、エネルギーのリサイクルが視覚化できる。
3. 実トレーディングへの応用
出来高の動きが 「エネルギーの可視化」 であるならば、この指標を取り入れることで次のような新しい視点が生まれる。
✅ 波動認識の誤りを減らせる
→ 価格だけでなく、出来高の動きとエネルギーの流れ を同時に見ることで、波形認識のミスを修正できる
✅ 出来高がC波到達水準に達したら、エネルギー転換の準備完了
→ 修正波の終点を見極めるための補助指標 となる
✅ レート・エネルギー(MA&BB)・出来高の3点分析が可能に
→ 相場のバイオリズムを多角的に捉えることができ、より深い市場理解が可能に
4. 検証の方向性
この仮説を実証するために、具体的な市場データを検証する必要がある。
- 推進波の出来高パターン(1波・3波・5波の比率)
- 修正波の出来高変動(A波の出来高低下 → C波の出来高増加)
- 出来高リセットのタイミング(B波終点における出来高の適正化)
- C波の出来高到達水準が、過去の推進波3波の出来高と相関しているか
→ これをデータとして記録し、精度を確認する。
5. 結論:相場のエネルギー循環理論へ
今回の仮説は、出来高を「エネルギーの転換点」として考えることで、波動のリズムをより精密に測定できる可能性を示している。
これにより、単に価格を見るだけでは捉えられなかった 「相場の生命活動」 を、エネルギーと出来高の流れを通じて理解できるようになる。
🔥 次のステップは、この仮説をデータで裏付けること。
これが証明されれば、市場の波動解析における新たな基準が生まれることになる。